国鉄色電機、春の掛け持ち祭り

2018.5/15

 どうもここ最近の書き出しが「久々の休みをゲットした」 「天気はハレ」 「ネタ釜がいいスジに入りそうだ」 ・・・と似たり寄ったりと自分でも思う。

 そして今回の出撃の動機もまさにソレである。ところで最近貨物界隈では国鉄色リバイバルがブームらしい。今年に新鶴見のPFは2両が塗色変更され計4両に、愛知の64も2両が塗色変更された。このご時世、そして自分自身が置かれている環境からすれば、ありがたく頂戴する他ないだろう。というわけで明日のメニューは・・・・

・EF6627が未明に首都圏を発って正午頃京阪神を通過する高速5071レ
・EF641028が午後稲沢を出発して日没したころ南松本に到着する石油専用5875レ。もちろん1028は前補機。
あとは新鶴見の65たちは首都圏内の運用だったので、上記2つを掛け持ちすべく、バイクで出発することにした。

 前日夜、準備した撮影機材を枕元に置くと、なんだかワクワクしてどうしても寝付けなかった。こんな感覚一体何年振りだろう。抑圧?された鬱憤をまさに晴らそうとしようとしている。つい布団の中でニヤニヤしてしまっていたが、大の大人がどう考えても狂っているとしか言いようがない。過労はここまで人を狂わすのだ。

 翌朝9時。何とか3時間ほど堕ちただけだったが、アラームの前に目覚めた。バイクに機材を積み込みメットを被りさぁ出発! とエンジンをかけたが、すぐに止めた。虫の知らせというか何となくタイヤの空気圧をチェックしなければと思ったからだ。長距離高速走行の前には絶対やっておきたいことだが、ついおととい、仕事の移動で短い距離だが高速を走ったばかりだったので当然大丈夫なはずだが、ふとエアチェックをしてみた。すると! ゲーーーーッ! 規定の半分程度に圧が落ちていやがる。そう言えば1か月ほど前、近所を走っているとどこかでデカい釘を踏んでしまい後輪をパンクさせてしまった。幸い自宅近くだったので速やかに舞い戻り、買い置きしておいたパンク修理キットで手早く復旧させた。そしておとといの走行も異常は無かった。患部を究明して処置せねば・・・。石ケン水を用意し先月修理したパンク跡に垂らすと・・・シュワワワ・・・と案の定極々小さい気泡が出ている。1か月間、このペースで空気が漏れ続けていたのなら、ちょと高めの空気圧にして出発し、今日1日くらいならなんとか持ちこたえられるのかもしれないが、時限爆弾を抱えたままツーリングを楽しむ気にはなれない。まだスペアの補修部品があったはず。いつもの手順で修理完了。エアを入れて念のためもう一度石ケン水で確認すると、やはり患部からの漏れは治っていない。釘とは言え補修キットでは治せない裂け傷なのかも知れない。せっかくの充実したツーリングになる予定だったが、すぐにバイクは断念、クルマに機材を積み替えてようやく出発することができた。



その先月のパンク修理前


 出発までだいぶ手間取ってしまったが、市街を抜け順調に高速に乗ることができた。1時間ほど走り米原ICで降り一般道へ。初夏を思わせる日差しが、間近に見える伊吹山をくっきりと浮かび上がらせる。一発目の撮影地は訪れたことはあるものの撮影は未経験だった近江長岡〜醒ヶ井の伊吹山バックのストレートだ。県道を折れ線路をくぐりクルマを停めポイントに急ぐ。いるいる。すでに3名の方がスタンバイを完了されておられる。自分は一番奥の林道の突き当りまで行きセッティング。画面ど真ん中に先客が写りこんでしまうのだが広角で迎え撃つのであまり気にならない。待機から10分後。ほぼ定時に5071レがやってきた。




2018.5/15   東海道本線  近江長岡〜醒ヶ井   EOS5D 100-400mm

 編成前部のコキがやや歯抜けだったが、春の近江路を往く端整なロクロクはとても活き活きと輝いて見えた。さて第2部へ移動である。次なる舞台は中央本線多治見付近。距離にして70kmそこそこで時間も余裕があるのだが、春の陽気に眠気を感じていたので高速でサクッと移動して現地付近で昼寝をしたい。と、その前に飯である。関東に住んでいたころ定期的に通っていたラーメン「山岡屋」の味が恋しくなり、何気に調べてみると、まさにココと多治見の中間地点の岐阜県内にあるではないか。通過すべき国道沿いということもあり高速移動はやめて一般道で東進。そして途中で飯の目的を達成し岐阜市街、各務原、犬山市を経て多治見市内に入った。目星を付けておいた撮影地を目指すべく国道19号を左折。ポイントまであと1kmほどというところで、なんと道路工事により行く手を阻まれた。誘導のおっちゃんに聞くとこの先の橋の工事をしているらしく完全な通行止めとのこと。いつの間にか通過予定時刻まで30分を切っており、すぐにその場で迂回ルートを探す。また国道に戻り多治見市内へ。ぐるっと大回りをし、ようやく、午後には完全な逆光になる撮影ポイントに到着するころには通過まであと10分というタイミングだった。やってくる5875レは国鉄色1028号機を先頭にした重連運用。ここならではの線形の妙を表現したいし重連も・・・と考えあぐねていると遠くからゆっくり64×2のタンカー列車が姿を現してしまった。




2018.5/15   中央本線   多治見〜土岐市   EOS5D 100-400mm

 編成自体も短い上、重連はビミョウな表現になってしまったが、重厚な通過音を残して5875レはヤマを登って行った。その後は土岐市に抜け、東海環状道、東海北陸道、油坂峠を越え福井に戻ってきた。途中のホームセンターでパンク修理キットを購入。今朝使用したもともと所持していた修理キットとは違うタイプのものを選択し、自宅に到着してすぐにバイクのパンク修理に着手。エアゲージ、石ケン水を用いて完治を確認。次回はやっぱりバイクで出撃したい。こうして充実した一日が終わった。